「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を語りたいオタク(後半ネタバレ・ラストシーン考察)

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」 (後半ネタバレ・ラストシーン考察付き感想) 

f:id:the_anchor7:20170820201254j:plain  見に行きました。Twitter眺めていると賛否両論で、特に多かったのが「君の名はみたいなの想像していたら全然違った」「ラストのオチが謎」というのが多くて、きっとこれは君の名は期待して見に行く一般向けじゃなくて、エヴァ劇場版でQの展開来た時におよそエンタメ向きじゃない俺たちのエヴァ帰ってきたーー!」と興奮したオタク向け映画だなという予感がしたので、これは多分オタクのために作ってくれたので見に行こうと。たとえ見に行って面白くなくても俺がそっと供養しておこうと、そういう気持ちになって映画館に行きました。結果的にはこのブログ書くくらい十分楽しみましたが。

 

1.映画の感想(非視聴者向き)

映画の予告と本編の内容全然違うじゃん!!!っていうのよくありますけどアレ制作会社と広告会社の方向性のズレがあると思うんですよね。

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この映画も広告CM見てると、『君の名は』っぽいやつかーと思うと思います。

本当はぜんぜん違うテイストの作品なのに、多分製作者の意図とは別に、広告マンが映画の宣伝は君の名はっぽくしたら多分売れますよ!!って言ってやらかしたんだと思います。

 
(○○の名は。みたいなCM)

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(実際のブツ)
 

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シャフトじゃねえか!!という絵面とシャフトじゃねえか!という内容の連発

あと良くも悪くも女友達いなさそうな感じのヒロイン!!

シャフ度高め!! 
 
・・なんていうか「君の名はみたいな奴やるらしいぞ!初デートの映画これにしよ!」と選んだ非オタクカップルが1番甚大な被害を食らったと思います。
 
中身悪くないのに酷評も多いの、コーラだと思って飲みに行ったらそばつゆだったというのが一因かと思います
 
ホントは全然別物なのに・・・別の楽しみ方があるのに・・・
 
 
僕が薦めるとすれば、新房監督だしまどマギみたいな雰囲気とか物語シリーズ好きだったら向いてると思うので見に行っても損はないとおもいます
 
オタク向き映画です。
 
家に帰りながらあーでもねーこーでもねーとオタク同士で感想言い合ったり、考察ブログ読んだり書いたりするの好きな人にもすすめます。

 

ここからはネタバレ付き感想です。重大なネタバレ・考察入っているので映画見る気持ちになった人は回れ右、、

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この映画見た人はわかると思うんですが、ラストシーンで1回
「どういうこと?????」ってなるんですよ。
 
「この先の続きの映像ないの?どうなったの?」って感じに。
実際映画館でも「え??」「終わり??」って口に出して言う人も居てました。
パット見?なんですけど考察好きの人間としては待ってましたな展開!!!!
僕も映画見ながらこうじゃないかと思ったこと、ここからゴリゴリネタバレ感想書いて行きます。最後のオチ含めて。

 

2.なぜ願いが叶う玉を持っていても最後まで駆け落ちが叶わなかったのか?

 なずなちゃんの親父が自殺する時に持ってた謎の玉、なぜあんなに強力な願いを叶える力があるのかについては最後まで不明ですが、まあアレはアレとして映画見ながら最初に疑問に思ったのは、プールの競争で勝つ」「電車に乗れる」「祐介やなずなの父母に見つからない」という願いをどんどん追加して、もうこれは駆け落ち成功でしょとなったのに結局電車が東京や大阪にも行かず戻って来たとこです。
願いを叶えるたびに、風車が逆回転になったり花火の爆発がヘンテコになったり、どんどん世界が歪んで行くんですけど、障害がなくなった自分の夢の世界でも電車は大阪や東京に行かないんですよね。

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  この辺からは僕の考察になるんですが、「祐介やなずなの父母に見つからない」という願いを込めて玉を投げた時にはまだ「駆け落ちする」ということに決心が至ってなかったからだと思うんですよね。「文字通りなずなの父母にただ見つからない」だけの願いを叶える形になるので電車も一回離れて海に行って戻ってくるだけになると。
結局恋愛と友情の葛藤や地元を離れるというところの決心がつかないまま願いを叶えようとしたから中途半端な結果に終わったのだろと思います。
だからこそ「世界がどうなったってなずなといたい!!」という思いを打ち明けることで初めて願いを叶える玉も"主人公がなずなと駆け落ちする世界"を垣間見せるようになったんじゃないかなと。(玉はそこで壊れちゃいましたが)
 

3.ラストシーンの意味はなんだったのか?
 
 最初は主人公(典道)死んだのかな?と思ったんですけどそうなると話の整合性合わないんですよね。玉が割れた瞬間から花火がどんどんマトモな形に戻って行って、なずなも消えちゃうし、ああこのパラレルワールドぶっ壊れるんやと〜主人公死亡フラグビンビンの展開。玉の前の所持者の、なずなの親父死んでるし。。
 もしパラレルワールドが壊れることで主人公が消えたら、最初に玉を使った、「なずなが親に連れられて行って、典道が祐介ぶん殴って玉投げたところ」で主人公が消える事になるので、目の前で消えられたり死なれたりしたら周りの友人も大騒ぎになるし、二学期に移って呑気に名前呼んでる場合じゃないんですよね。
 
 ラストシーンの描写は繰り返しの夏の1日が終わって、なずなは学校離れていることはみんな知っているけど、典道が欠席してることは周囲は知らなかったということになりますがみんなの前で消えるとそことの整合性が合わなくなります。
 
物語の流れから考察進めると、典道も祐介の前で遠慮したりして前節でも言ったように迷いだらけで自分が「本当にどうなってもなずなと一緒にいたい」と踏ん切りつけるのは玉が壊れるところなんですよね。願いを叶える玉も東京に駆け落ちする夢を一瞬典道に見せるだけで砕けてしまいます。
 
じゃあそこまで駆け落ちする決心がついて、願いを叶える玉も無くなって、どうしたか?そこの疑問がラストシーンにつながっているんじゃないかと。
 
主人公は新学期に学校のみんなに”人知れず”去っていきます。
 
僕は『玉無しでも自分の願いを叶えるために、人知れずなずなに会いに行った』
のだと思います。

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駆け落ちが成功したのかどうかは視聴者の想像に任せますという感じで……。
 
 

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ポスターでは駆け落ち用のカバン、作中ではなずなしか持ってませんでしたが、”2人”で持っちゃってますね

 
 
 
読んでいただきありがとうございました。
いろんな見方があると思うのでコメントなど貰えるとうれしいです。